一般診療
消化器科
嘔吐や下痢の症状の裏には重大な病気が隠れている場合もあります
消化器科にご来院いただく理由の中でも特に多い病気は嘔吐や下痢などです。原因は人間で一番多いのは胃潰瘍ですが、動物では感染症が一般的です。他にはアレルギーや異物を飲み込んでしまったりしていることもあります。
嘔吐や下痢は一般的な症状ですが、だからと言って軽視してはいけません。その裏には重大な病気が隠れていることもあります。状態が悪い子では、診断にあたって血液検査やエコー検査、レントゲン検査などを行い、総合的に診断を下します。
皮膚科
特に注意したいのが様々なアレルギーです。アレルギーとはアレルゲンという特定の物質が原因で起こる反応の一つです。動物が身体をしきりに掻くような動作をしたり、あるいは嘗めたりしている場合は何らかのアレルギーが出ている可能性があります。中でも多く見られるのはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ノミアレルギーです。
皮膚病は治療に時間がかかることが多いので、早めの受診が重要です。
<アトピー性皮膚炎とは>
カビや花粉に体が過剰反応することにより起こる皮膚炎です。食物アレルギーやノミアレルギーも同じく特定のものに体が過剰反応することにより起こります。
脂漏性皮膚炎、細菌性皮膚炎、ウイルス性皮膚炎 など
呼吸器科
短頭種と呼ばれる犬種によく起こる呼吸器の病気を総称して短頭種症候群と呼ばれる病気があります。短頭種というのはチワワやパグ、フレンチブルドッグといった鼻が短い犬たちのことです。鼻が短いためにそこにある器官が圧縮されて備わっているため、生まれつき空気の通り道が狭かったりするから起こる病気です。重症な子では手術が必要な場合もありますので、若いうちからゼーゼー呼吸をする子は注意が必要です。
循環器科
<僧房弁閉鎖不全症とは>
動物の心臓は右心室、左心室、右心房、左心房の4つの部屋に分かれています。そのうち、左心房と左心室を分けている弁を僧帽弁といいます。僧帽弁が開閉することにより、動物の体内の血液がコントロールされています。
本来、血液は心房から心室に流れるものですが、何らかの原因で僧房弁の開閉がうまくできなくなり、血液が心室から心房に逆流してしまうことがあります。この状態が僧房弁閉鎖不全症です。初期段階では目立った症状はありませんが、その分早めに気付く事が大切なので、定期的に健康診断を受けましょう。
このような症状が見られたら一度当院に連れてきてください。
- 咳をする
- 散歩に行くと疲れやすくなった。(散歩の時間が短くなった)
- 散歩に行くのを嫌がる
- ふらついている
- 呼吸が荒い(胸の動きが激しい)
腎泌尿器科
<慢性腎不全とは>
老齢の猫のほとんどがかかる病気に慢性腎不全があります。慢性腎不全とはその名の通り慢性的に腎臓の働きが低下する状態です。慢性腎不全が悪化していくとやがて本来は尿内に排出される必要のある毒素が体内に溜まり、尿毒症になってしまいます。尿が増え、食欲が落ちてきた場合は尿毒症を疑う必要があります。
徐々に弱っていくので気が付きにくいですが、腎臓は一度壊れてしまうと通常は回復しないため、早めに気が付くことが肝心です。
このような症状が見られたら一度当院に連れてきてください。
- よく水を飲んでたくさんおしっこをする
- 体重が減ってきた
- 毛にツヤがない
- 元気がない
- 食欲がない
- 便秘や下痢をする
腫瘍科
「癌」と聞かされて、あきらめていませんか?
腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があります。悪性腫瘍とはとても大雑把に言ってしまえば癌のことです。癌と聞くと「もうおしまいだ」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。腫瘍にはたくさんの種類があり、その種類によっては癌であっても「治せる病気」になりつつあります。
もちろん、そのためには早期発見が重要です。癌を早期に発見するためには、定期的な健康診断が何より大切です。
整形外科
<椎間板ヘルニアとは>
背骨の椎骨と椎骨の間にあるクッションである椎間板が飛び出し、近くにある神経を圧迫する病気です。激しい痛みを伴い、場合によっては四肢が麻痺して動かせなくなることもあります。椎間板ヘルニアの治療は内科療法で間に合うこともありますが、症状が進行している場合は外科手術を行います。
膝蓋骨脱臼、股関節形成異常症 など
眼科
実は猫や犬は人間と比べると視力が低いです。人間でいうところの「近視」に当たります。しかし、彼らは人間ほど視力に依存していないので、視力が落ちても、あるいは盲目になっても日常生活に支障をきたすことはあまり多くありません。
動物の眼の病気で一番多いのは感染による結膜炎や、ケンカなどによる眼の傷です。人間ほど眼に頼った生活をしていないとしても、健康な生活を送る上で眼は重要な器官です。異常を発見したら、早めの受診が大切です。
このような症状が見られたら一度当院に連れてきてください。
- 目やにが多い
- 目がショボショボしている
- 涙が多い
- 充血している
- 最近急にものにぶつかるようになった
- 夜に散歩に行くのを嫌がる
歯科
歯垢や歯石がつかないように予防することが大切
人間社会では、80歳になっても20本の歯を維持するようにしようという「8020運動」が日本歯科医師会によって推進されています。それだけ人間にとって歯は大切なものなのです。
もちろん、犬や猫などの動物にとってもそれは同じです。歯の健康を保つことにより、犬や猫のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は確実に向上します。
歯石の除去には人間と違って全身麻酔が必要になるので、思っている以上に負担がかかります。歯垢や歯石が付かないように若いうちから歯磨きをして予防することが一番大切です。
脳神経科
脳神経科は主に脳や神経の病気を診る診療科です。現代ではペットの高齢化が進んでいるため、動物が脳や神経の病気になることは決して珍しいことではありません。特にてんかんは若い犬や猫でもかかるケースが多く、また老犬・老猫になると脳腫瘍が現れることもあります。
<てんかんとは>
てんかんとは脳内の神経が突然ショートしたために起こる発作です。それまで普通に生活した犬や猫が突然痙攣し始めたり、意識を失ったりしたら、それはてんかんである可能性があります。
てんかんを根治するのは非常に難しいですが、抗てんかん薬で70%以上の発作を抑えることが可能です。発作が起きても根気よく投薬治療を続けることが大切です。
血液内科
<免疫介在性血小板減少症とは>
免疫介在性血小板減少症とは、下腹部などをはじめとする皮膚のあちこちに紫のぽつぽつや斑点ができる病気です。主に中年以上の雌犬に多く見られる病気ですが、それ以外の年代や雄でもかかることがあります。通常は免疫抑制剤と呼ばれる薬剤を用いて治療を行っていきます。
感染症科
中でも人間にも感染する人獣共通感染症の予防はとても大切になります。
人獣共通感染症の中でも最も有名なのは狂犬病です。人間が狂犬病にかかった場合、発症するとほぼ100%死亡することになります(発症前なら有効なワクチンがあります)。したがって、狂犬病は予防がとても大切です。毎年1回の狂犬病予防注射は飼い主の義務なので、必ず守っていただく必要がございます。
麻酔科
麻酔を使うにあたっては、まず術前検査を行い、その後リスクとメリットを考慮し、その動物になるべくあった安全性の高い麻酔と鎮静薬を選択して行きます。手術中もモニタリングを徹底して行い、万が一の異変の際には即座に対応します。